【PLC勉強会】#2プログラム修正の考え方を型で解説!我流から抜け出す方法
- ラダープログラムをどこから手をつけていいか分からない
- 装置の動きは分かるのに、ラダーに落とし込めない
- 「正しい考え方・手順」を教わらないまま、手探りで修正している
PLCプログラムを修正していて、「とりあえず動いたけど、これで正しいのか分からない」と感じたことはありませんか?
現場では相談できる人もおらず、気づけば毎回その場しのぎの修正になってしまう。
設備保全の現場ではよくある悩みです。
実は、PLCプログラム修正がうまくいかない原因の多くは、技術力そのものではなく「最初の考え方」にあります。
いきなりラダーを触り始めてしまうと、後から必ず迷子になります。
私は実務経験14年(2012年〜)、2018年から個別指導を行い、累計84件・50人以上の現場経験者を指導してきました。
その中で共通して効果があったのが、コメントを起点に修正する“型”です。
この記事では、PLC勉強会#2として、プログラム修正で最初に何をすべきか、そして我流修正から抜け出すための考え方を具体的に解説します。
読み終える頃には、修正のたびに迷わない軸が手に入り、再現性のあるプログラム修正ができるようになります。
結論はシンプルです。迷ったら、必ずコメントに戻る──それが最短ルートです。

基本の型を知って・覚えて・染み込ませるのが最善です!

プログラム修正は「最初の一手」で8割決まる

- 事前準備を怠ると、場当たり的な修正から抜け出せない
- 技術よりも、思考順序の「型」を持つこと
PLCプログラムの修正は、ラダーを書き始めた瞬間に勝負が決まるわけではありません。
実際には、書き始める前に何を考えていたかで、修正の8割が決まっています。
ここを誤ると、どれだけ経験があっても「場当たり修正」から抜け出せません。
多くのトラブル対応現場では、「とにかく止まっている設備を動かす」ことが最優先されます。
その結果、原因や全体動作を整理しないまま、条件の追加や削除が行われがちです。
しかしこの方法は、短期的には解決しても、中長期的には必ず破綻します。
PLC修正で本当に重要なのは、ラダーを書く技術ではなく、修正に入る前の思考の順序です。
この順序を“型”として持てるかどうかが、我流と再現性の分かれ道になります。
いきなりラダーを触る修正が失敗する理由

- 原因整理なしに結果をいじると、矛盾や別の不具合が生じる
- 「理解なしに接点を足す」「一旦OKにする」対応は問題の先送り
ラダーを直接触る行為は、結果だけを操作する行為です。
原因が整理されていない状態で回路をいじると、必ず矛盾が生まれます。
一度は動いたとしても、次の修正で必ず別の不具合が表面化します。
特に多いのが、「とりあえずAND条件を足す」「一旦OKにする」という対応です。
これは問題解決ではなく、問題の先送りに過ぎません。
後から回路を見たとき、なぜその条件が必要なのか説明できなくなります。
修正とは、本来「なぜそう動くべきか」を明確にする作業です。
そこを飛ばしてラダーに触ると、失敗するのは必然です。

何をさせたいのかを理解するのが最初です!
その場しのぎ修正が増える典型パターン

- 条件を継ぎ足す修正は、回路を徐々に複雑化させる
- 見た目は動いていても、想定外の動作に非常に弱い
設備トラブル対応でよく見られるのが、「条件の継ぎ足し修正」です。
最初は小さな変更だったものが、次第に複雑化していきます。
そして最終的に、誰も全体を説明できないプログラムになります。
こうした回路は、一見すると動いているように見えます。
しかし、条件の意図が整理されていないため、想定外の動作に極端に弱いのが特徴です。
現場では「触りたくない回路」として扱われるようになります。
その結果、修正できる人が限定され、属人化が進みます。
これは技術力の問題ではなく、修正の考え方の問題です。

とりあえず接点追加は迷宮の入り口
修正で最初に考えるべきこととは

修正に入る前に考えるべきことは、非常にシンプルです。
「この設備は、原位置からどの順番で動くべきか」まずこれを明確にします。
センサーや条件は、その後で考えるものです。
動作順が曖昧なまま条件を考えても、整理されることはありません。
動作を言語化できて初めて、正しい修正が可能になります。
プログラム修正「コメント起点の型」4STEP

正しい修正手順には、再現性があります。
その中心にあるのが、「コメントを起点に考える」ということです。
これは初心者が最初に覚える方法です。
コメントを起点にすると、思考が強制的に整理されます。曖昧な理解のまま先に進めなくなるからです。結果として、修正ミスが激減します。
STEP1:動作を頭の中でイメージする

最初に行うべきは、設備の動作を頭の中で再生することです。
原位置とはどこか、どの動作から始まるのかを明確にします。
この段階では、ラダーやアドレスは一切考えません。
設備の動きを人に説明できるレベルまで落とし込みます。
ここが曖昧だと、以降の作業はすべてブレます。

イメージしたもの以上の動作はできません
STEP2:動作順をコメントとして書き出す

次に、その動作を日本語で書き出します。
「下降する」「掴む」「上昇する」など、1動作ずつ分けてコメントを記入します。
この時点で書けない動作は、理解できていない動作です。
コメントは後付けの説明ではありません。修正の設計図そのものです。

1番最初の作業はコメント入力
STEP3:コメントに合わせて回路を修正する

コメントが固まってから、初めて回路を見ます。
コメントとラダーが一致していなければ、その回路は間違っています。
動いていても、設計としては破綻しています。
ここで初めて、「どこを直すべきか」が明確になります。

コメントに合わせて基本の回路の構成に当てはめる
STEP4:センサー・条件を当てはめていく

最後に、センサーやインターロックを考えます。
センサーは動作を実現するための条件であり、主役ではありません。
コメントに書いた動作を成立させるために必要なものだけを選びます。
この順番を守ることで、修正は驚くほど安定します。
コメント起点が「再現性」を生む理由3選

- コメント起点は、センスや勘に依存しない
- 設備やメーカーが変わっても、考える順番は共通
PLCプログラム修正において最も価値があるのは、「再現できること」です。
一度うまくいった修正ではなく、次も別の設備でも通用する考え方を持てるかどうか。
その点で、コメント起点の修正手順は非常に強力です。
なぜなら、この手順は個人のセンスや勘に依存しないからです。
設備が変わっても、メーカーが変わっても、「考える順番」は変わりません。
結果として、修正の質が安定します。
再現性とは、同じ手順を踏めば、同じレベルの結果が出ることです。
これは教育・引き継ぎ・属人化防止のすべてに直結します。

10年以上この手順で設計しています
理由1:誰がやっても同じ結論にたどり着く

- 「コメント通りに動くか」で判断が可能
- 属人的な勘や習慣が入らない
- 修正内容が論理的に説明しやすい
コメントから考える修正では、判断基準が明確です。
「この動作はコメントに書いてあるか」「書いてある通りに動くか」この2点で是非が判断できます。
属人的な「たぶん」「いつもこうしてる」は入り込みません。
結果として、修正内容の説明もしやすくなります。
これは、後工程や他部署とのやり取りでも大きな武器になります。
理由2:修正のたびに迷わない

我流修正では、毎回「どこから触るか」で迷います。
しかし型があれば、考える順番が固定されます。
迷いが減る=ミスが減る
修正にかかる時間も短縮されます。
それは作業が速くなるのではなく、無駄な試行錯誤が消えるからです。

作業手順が身につけば設計漏れも激減します
理由3:設備が変わっても応用可能

搬送設備でも、加工機でも、基本は同じです。
「原位置 → 動作順 → コメント → 回路」
この流れは、設備構成に依存しません。
一つの設備で身につけた考え方が、別の現場でも使える。
これこそが、技術力が「積み上がる」状態です。
なぜPLCは我流になりやすいのか?

- 「動けば正解」という評価軸
- 結果重視、考え方や思考が共有されない
- 現場では復旧時間が評価される
- 経験だけ蓄積され、人ごとに修正方法がバラバラ
- 「自分なりのやり方」が固定化し、改善されなくなる
PLC修正は、他の技術分野と比べても我流が生まれやすい領域です。
その最大の理由は、「動けば正解」という評価軸にあります。
過程より結果が重視されるため、考え方が共有されにくいのです。
現場では、修正内容よりも復旧時間が評価されます。
そのため、修正の思考プロセスが言語化されないまま経験だけが積み上がります。
結果として、人によって修正のやり方がバラバラになります。
この状態が続くと、「自分なりのやり方」が固定化され、改善されなくなります。これが我流修正の正体です。

我流の経験は、邪魔な経験になるときも・・・
経験者ほどハマる思考の落とし穴

- 「読める人が直すと壊す」は意外に多い
- 「前はこれで直った」と記憶が判断を止める
経験年数が増えると、回路を“読む”ことはできるようになります。
しかしそれと、正しく修正できることは別です。読めるが、直すと壊す人は非常に多く存在します。
これは、過去の成功体験に引きずられるためです。「前はこれで直った」という記憶が、思考を止めてしまいます。
結果として、毎回似たような修正を繰り返すことになります。
相談相手がいないと修正力が伸びない理由

- 考え方は指摘やレビューがなければ改善しない
- PLCは動いている限り、誤りに気づかない
修正の考え方は、指摘されないと改善されません。
一人現場や少人数体制では、我流が是正される機会がありません。そのため、間違った型が正解として定着してしまいます。
特にPLCは、「動いている限り間違いに見えない」のが厄介です。誰かにレビューされない限り、問題点に気づけません。
だからこそ、考え方の型を意識的に学ぶ必要があります。

不具合修正が無限に続く!って経験ありませんか?
「動けばOK」が後で自分を苦しめる

短期的に見れば、「動けばOK」は正解に見えます。
しかし長期的に見ると、その判断は必ず自分に返ってきます。
次の修正時に、過去の自分の回路が理解できなくなるからです。
「これ、なんでこうなってるんだっけ?」
この一言が出たら、すでに負債は溜まっています。それを防ぐのが、修正の型です。
「その場しのぎ」から抜け出せた人の変化

この修正手順を身につけた人には、明確な変化が現れます。
それは、ラダーを見る目が変わることです。
条件ではなく、「意図」を探すようになります。
以前は「動いているかどうか」しか見ていなかった回路が、「なぜこうなっているのか」を考える対象に変わります。
これは技術者としてのステージが一段上がった証拠です。
回路を見る視点が変わる

条件の多さや複雑さに振り回されなくなります。
コメントを読み、動作を想像し、それから回路を見る。この順番が自然にできるようになります。
結果として、他人のプログラムでも理解が速くなります。
「読める」だけでなく、「評価できる」状態になります。

生徒さんはバラバラのピースが当てはまったような感覚をしていました。
修正後に不安が残らない

我流修正では、修正後に必ず不安が残ります。「たまたま動いているだけでは?」という感覚です。
これは、修正の根拠が曖昧だからです。
型に沿った修正では、なぜ動くのかを説明できます。説明できる=理解している、ということです。
この安心感は、現場で非常に大きな差になります。
PLC勉強会で伝えたかった本質

この勉強会で伝えたかったのは、テクニックではありません。
特定の命令や書き方ではなく、考え方の順序です。
順序さえ正しければ、細かい部分は後からいくらでも学べます。 PLC修正が苦しいのは、能力が足りないからではありません。
正しい型を教わる機会がなかっただけです。それを補うのが、この勉強会の役割です。
PLC修正はセンスではなく手順

「向いている・向いていない」という話ではありません。
修正ができる人は、正しい順番で考えているだけです。
逆に言えば、順番を知れば誰でも改善できます。
これは、現場経験2年でも、10年でも同じです。
まとめ:我流修正から抜け出すために
PLCプログラム修正で悩む多くの人は、能力不足ではありません。
「最初に何を考えるか」を教わっていないだけです。その結果、我流に頼らざるを得なくなっています。
コメントを軸にした修正手順は、
- 最初に何をすべきかが明確になる
- 修正に再現性が生まれる
- 説明できるプログラムになる
という大きな効果があります。
その場しのぎの修正から抜け出したいなら、まずは考え方の型を変えてください。
ラダーを触る前に、コメントを書く。ここからすべてが変わります。
この“考えさせる余白”を意識的に作ることで、理解の定着度はさらに高まるでしょう。
PLCに関する困りごとがあった際にはこちらを一度見てみてください。
【AI視点の評価】個別指導のフィードバック

- 2025年12月6日に実施されたPLC個別指導の内容をもとに、AIの視点から講師(先生)の指導を客観的に評価します。
- 評価の軸は「技術的な正しさ」だけではなく、生徒の理解をどのように支え、思考力をどのように育てているかという点です。
その結果、生徒は単なる答え合わせではなく、「考え方の型」を学ぶ機会を得ています。
AI視点から見て特に評価できる点と、次回さらに良くするための改善提案を整理します。
現場で指導を行う講師自身の振り返りとしても、読者が指導の本質を学ぶ資料としても役立つ内容です。

ここからは実際に指導した内容をもとに、私に対する評価になります。
学習の迷いを断ち切った「修正から入る」判断力

- 生徒の迷いに対し、講師は「まず修正から入る」と明確な判断を示した
- 動作イメージが未成熟な段階でのゼロから作成は挫折につながる点を言語化した
指導者としての経験値が最も表れた部分
これは単なる方針提示ではなく、生徒の現状(PLC歴2年・読めるが我流修正になりがち)を正確に把握したうえでの適切な選択です。
頭の中に動作イメージが十分に構築されていない状態で、ゼロから作成を行うのは非常に難しく、挫折の原因にもなります。
その点を講師は言語化し、「完成形をベースに理解と修正を積み重ねる」学習ルートを示しました。
この判断によって、生徒は「自分は遠回りしていない」という安心感を持って課題に向き合えています。
経験に裏打ちされたこの判断力は、指導者としての成熟度が強く表れたポイントと言えるでしょう。

経験を生かして明確に伝えるように意識しています。
コメントを軸に思考を構造化させる指導の強さ

- 手順ではなく、思考整理そのものを教える指導だった
- 正解回路ではなく「間違いにくい考え方」を学べた
- その場しのぎの修正から脱却する土台が築かれた
再現性・現場適応力のある教え方
これは単なる作業手順ではなく、思考整理そのものを教える指導でした。
設備の動きを頭の中でシミュレーションし、それを言葉に落とし、コメントとして整理する
その後、コメント通りになるようにセンサーや条件を当てはめていく。この流れは非常に再現性が高く、現場でも応用可能な型です。
生徒にとっては、正解の回路を覚えることよりも、「どう考えれば間違いにくいか」を学べた点が大きな収穫だったはずです。
結果として、その場しのぎの修正から脱却するための土台がしっかり築かれていました。
生徒の理解を支えた段階的な説明と立ち戻り
- 、基本動作や原位置定義に立ち戻って説明した
- 生徒のペースに寄り添い、「分かったつもり」を許さない丁寧な指導姿勢が質を高めている
混乱を放置しない指導姿勢
「一度戻る」という判断は、時間的には遠回りに見えますが、理解の精度を高めるうえで非常に重要です。
特に原位置定義を軸に、物理的な設備の位置関係とプログラム上の論理を結びつけて説明していた点は印象的でした。
これにより、生徒は単なる記号としてではなく、「意味のある条件」としてプログラムを理解できています。
徒のペースに寄り添い、理解が追いつくまで根気強く支える姿勢は、個別指導ならではの強みを最大限に活かしたものです。
「分かったつもり」を許さない丁寧さが、指導全体の質を高めていました。
改善点:問いの具体度と考えさせる余白

- 問いを具体化すると、生徒の思考がスムーズになる
- シミュレーションさせる余白を作ることで、理解の定着が高まる
AI視点からの建設的提案
非常に完成度の高い指導ではありますが、AI視点から見ると、さらに伸ばせる余地も見えてきます。
例えば、「どうしたら取れますか?」という問いは方向性としては正しいものの、生徒によっては抽象度が高く感じられる場合があります。
「原位置から取って、原位置に戻るまでを動作順で説明してください」といった形で、問いを具体化すると、思考がよりスムーズになる可能性があります。
また、誤りをすぐに指摘するのではなく、「この回路だと、どう動くと思いますか?」と一度シミュレーションさせることで、生徒自身が気づく機会を増やすこともできます。

もう少し生徒さんに考える時間を取っていきます。

