【工程間通信】PLC設計とスムーズな打合せ準備6STEP
- 設備エンドユーザー
- 各メーカーへ工程間通信の説明をする
- 何をどの順番で説明すればいいのか?
工程間通信の相談に乗る中で、
「技術よりも情報整理力が重要」と強く感じる場面が多くありました。
多くの人数を巻き込む工程間のやり取りで、スムーズに進まない理由の多くは、知識不足ではなく”伝えるべき情報が整理されていないこと”。
この記事では
- エンドユーザー側が事前に押さえるポイント
- PLC設計はスムーズ進む準備・説明
- 私自身の気づきを交えて
工程間の通信の取り決めを始めて担当する方でも、どこから準備するべきか明確になります。
記事の最後に載せるので、必要な方だけチェックしてください。
情報共有の間違い

工程間通信の相談を受けて、あらためて痛感した。
トラブルは「技術不足」ではなく「情報共有の不足」から生まれる。
- 何を伝えればいいかわからない
- どこまで説明すべきかわからない
自分自身も過去に”説明不足で余計な修正が増えた経験”が何度もあります。

もっと早く教えてよ!ってことよくあります。
エンドユーザー側(生産技術・現場監督etc)
エンドユーザー側の最大の課題は
「設計視点で物事を整理する」という意識が不足している。
実際に現場で設備をみていても、
- 工程ごとの関連性
- データの受け渡し
- 主導権の把握(親・子ステーションの関係)
意識してみなければ、なぜ今の設備が稼働しているのか見えてきません。
今回の相談者も、過去に似た設備を見た経験はありながら
「自分がまとめる側になったらどう整理すればいいのか?」という悩みでした。

わからない!
だけど、伝えないといけない人は頭の中が迷子です。
メーカー側(PLC設計者)
PLC設計者は、担当の設備仕様には詳しい
ですが、ライン全体の構想には口を出せません。
- 他社設備の仕様
- 生産ラインの上流・下流の意図
- 工程間の指示系統
これらはユーザー側が持つ情報です。
今回の相談を通して、
「ユーザーの説明が明確かどうかで、設計の進み方が大きく変わる」と再認識しました。

わかってるでしょ?って感じで会話が始まると、最初から最後まで話がかみ合わない。
通信後の説明は後でOK
今回の相談での勘違いが、
「通信が確立した後の細かい制御まで最初から説明しないといけない」
という思い込み。
これNG行為です。最初から細部まで説明しようとすると混乱が増えます。
通信が立ち上がった後は、普段の制御のすり合わせになるので、会話は一気に楽になる。

通信を立ち上げるのが1番苦労するポイント。
工程間通信の準備3STEP

STEP1:生産ライン全体の把握
1番最初に必要なのは「ラインのつながり」の把握。
- どの工程間で通信(データのやり取り)が必要か?
- 全体を管理?前後工程だけ把握?
- 生産ラインとして、ワークの流れを整理
ワークの流れを線で結んでみましょう。
工程間の線はすべてやり取りが必要な個所です。

搬送系の設備は何度も線が行き来するでしょう。
多いな!と感じてもワークが移動する場合は、
それが正常です。
STEP2:やりたいこの言語化
工程間の通信をする目的をしっかり把握する。
- 前後工程のインターロックができればいいの?
- OK/NGで設備の動かし方を変えたいの?
- 異常発生中の設備をモニターに出したいの?
- ワーク1つ1つにデータを紐付けたいの?
やりたいこと、最終的にこれができていればOKというゴールを認識してください。

工程間の通信は手段です。目的はなに?
STEP3:必須IOのまとめ
過去の参考や会社の仕様があるなら、
「必要最低限のIO情報」は共有した方がスムーズ。
- 自動運転中
- 異常発生中
- 担当呼び出し
当たり前の部分でも、EXCELシートで渡すのが重要。
今後はこのシートに各PLC設計者が追記して対応してくれます。

土台のEXCELシートがないと、PLC設計者が独自にIOマップを作成します。
その結果、各メーカーごとに違うフォーマットのシートが作成されて理解しにくくなる。
工程間通信の説明3STEP

STEP1:使用機器と通信方法の説明
今回の相談内容の場合はキーエンスで構成されてました。
- PLC型式 KV8000
- 通信ユニット KV-XLE02
- 通信方法 Ethernet IP
ここまでは、全員説明してくれます。
ですが、以下の情報が不足している。
- Ethernet IPを使ってどうするの?
- 簡易PLCリンク?タグ通信?
- IPアドレスは誰が決めるの?
- 指示してくれる?それとも考えてない?
- 通信ユニットは誰が準備するの?
- 各メーカーで購入?支給品?
線とつなげば通信ができる!って思っている人が多いです。

そんなところまで知らないよ!って人は
「通信を確立する上でほかに必要な情報ありますか?」と聞いてください。
STEP2:やりたいことの説明
生産ラインでのやりたいこと、目的を共有しましょう。
- 各工程の開始・終了をデータに残したい
- 品種を自動で切替たい
- エラーコードを取得したい
目的が把握できると、PLC設計者は必要な構成や情報を逆算できます。

説明や資料の理解度が全然変わってくる。
STEP3:線引きの説明
今回の相談で一番押さえてほしかったポイントがここ!
資料をみて説明するときに
- ここは自分が決めていきます。
- こちらの部分は各設計者に任せます。
線引きを明確にすることで、自分のこととなる部分を集中的に理解しようとし打合せのストレスが激減します。

お互いの返事待ち!って状況をここで潰しておく。
相談者の気づき

知ったふり・わかったふりNG
誤解を生む発言は絶対にNG!
うまくいかないだけではなく、気分が悪いです。

PLC設計者もすべて知っておして欲しい!
とは思っていません。
知らないものは知らないでOK。
やり方を指定するNG
過去の実績があるので、このサンプルを使用してください。
プロが判断や設備にあったより良い手段を封じられるので、おすすめはしません。
仕様ならあきらめますが、好みの問題なら参考までに・・・程度に収めましょう。

サンプルがある場合は、サンプルの使い方まで教えてください。
他人が作った回路を理解するのは非常に苦労します。
返答目安を伝える
その場で答えられない場合は、「〇〇日までに返答します」で問題なし。
「社内で再度検討します」はNG。
日付を入れて伝える!私自身も学んだ大切な習慣です。

お互いのスケジュールを尊重しましょう。
質問しながらでもいいという姿勢
今回の相談対応で、改めて気づいたのが
”質問しながら進めても全く問題ない”ってこと。
「すべて理解してから行動しよう」となりがちですが、それは「打合せ」ではなく「説明」です。
むしろ質問しながらの方が、相手のことも思いやっている印象を持てるので打合せがスムーズな印象を受けます。

自分のプランをもって、合わせこむイメージが大切です。
工程間通信は”技術”より”整理力”
改めて学べたことは、工程間通信が技術より”情報整理力”が重要!
- ライン全体を把握する
- やりたいことの言語化
- 必須情報をまとめる
この3点だけでも十分にスムーズな打合せができます。
ここを理解しておくだけで、自分の言葉で説明ができて声に気持ちが乗ります。
事前に準備した行動は相手にしっかりと伝わるので、技術やスキルばかりに目を向けずに1つ1つ情報を整理することが大切だと、改めて実感する相談でした。
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