30代生産技術がPLC制御の打合せ不安を克服した6か月14回の実践記録!
- 設備メーカーと打合せ経験なし
- 確認項目がわからない
- 説明不足によるトラブルへの不安
- 「もっと覚えないと」という焦り

担当案件に不安があり、コーチングで疑問を解消しようとした30代生産技術者の受講事例です。

初めて生産ラインを担当します!
ベースソフトを渡されても全体像がつかめず、「もっとPLCを勉強しなければ」と夜遅くまで画面を眺めている状況でした。
しかし、今回紹介する受講者の悩みの原因はPLCの知識不足だけではありませんでした。
私はこれまで80名以上のPLC初心者をオンラインで指導し、現場で困らないための考え方や仕事の進め方をサポートしてきました。
- 役割整理と打合せの進め方
- 打合せに自信を持って臨める理由
- 設備メーカーとの連携がスムーズなった経緯
30代の生産技術者が6か月・全14回のコーチングを通して、どのように打合せへの不安を克服していったのかを実体験ベースで紹介します。
本当に必要だったのは、生産技術と設備メーカー、それぞれの役割を正しく理解することだったのです。

自分に足りないのは「PLCの知識」なのか、それとも「仕事の進め方」なのかを考えるきっかけになるはずです。

【相談編】の続きになるので、まだ読んでない人は先に読んでみてください。
学んだのはPLC制御ではなく役割整理

コーチングでまず行ったのは、生産技術と設備メーカー、それぞれの役割を整理することです。
受講者は「PLCの知識が足りないから打合せで困っている」と考えていました。

しかし実際には、自分が担うべき役割と設備メーカーの役割が曖昧だったことが、不安の大きな原因になっていました。
役割を整理すると、「どこまで理解すればよいのか」「何を伝えればよいのか」が明確になります。
その結果、打合せへの向き合い方も大きく変わりました。

コーチング開始直後に行った役割整理と、生産技術として本当に求められる仕事について紹介します。
生産技術と設備メーカーの違い

生産技術が打合せで最初に理解すべきなのは、自分と設備メーカーでは担当する役割が違うということです。
| 生産技術 | 設備メーカー |
|---|---|
| 仕様・運用の整理 | 仕様・運用の理解 |
| 情報を正確に伝える立場 | 設備要求の実装 |
受講者は当初、「設備メーカーと同じレベルでPLCを理解しなければ打合せはできない」と考えていました。
| 本来の準備 | 実際の準備(コーチング前) |
|---|---|
| 仕様の確認 | ベースソフトの収集 |
| 運用の確認 | 回路に不備がないか確認 |
| 説明に使う資料の準備 | すべて理解する努力 |
そのため、新しく作成されたベースソフトを渡されても、「この回路は本当に成り立っているのだろうか」「全部理解できないと打合せで困る」と不安を感じていたそうです。
この違いを整理したことで

自分がすべての回路を理解しなければいけないわけではないんですね!
と気付きました。

もちろんPLCの知識は必要ですが、打合せで最も重要なのは設計者になることではなく、設備要求を整理して共有することだったのです。

役割を理解したことで、「全部分からなければいけない」というプレッシャーが減り、打合せへの考え方にも少しずつ変化が表れ始めました。
仕様を伝えることが生産技術の仕事

打合せで本当に重要なのは、回路の設計方法を説明することではなく、設備で実現したい仕様を伝えることです。
| 生産技術の仕事 | メーカーの仕事 |
|---|---|
| ラインとしての目的の共有 | 回路の設計 |
| 実現してほしい機能の検討 | 設備の動作確認 |
この考え方に大きく気付いたのは、打合せを想定したロールプレイを行った後でした。
受講者は設備メーカーへ説明する際、動作の内容だけでなく、回路の組み方や制御方法まで細かく指示しようとしていました。
そこで私は、次のように質問しました。

回路の設計方法まで指示しようとしていませんか?

はい。細かく指示しないと作成してくれないと思っています。

目的のために設計方法を検討するのは、設備メーカーの仕事です。
この考え方を理解してからは、打合せで確認すべき内容も明確になりました。
「何を質問すればよいか分からない」という状態から、「この仕様は伝わっているか」「必要な情報は揃っているか」という視点で準備できるようになり、打合せへの不安も少しずつ和らいでいきました。
打合せを想定したロールプレイで実践力向上

役割を理解できても、実際の打合せでうまく説明できなければ意味がありません。
そのため、このコーチングでは知識を増やすだけではなく、「現場で使えること」を重視して進めました。
設備メーカーとのやり取りを事前に練習することで、どのような情報が不足しているのか、どのように伝えれば相手が理解しやすいのかを確認していきました。
また、PLCの学習も実務に合わせて進めました。
必要な箇所を効率よく確認する方法を身につけることで、打合せの準備にも自信が持てるようになっていきます。

ここでは、実際に行ったロールプレイと、現場を意識したPLC学習について紹介します。
本番を想定した打合せ練習を繰り返し

打合せで成果を出すために、実際の案件を使ったロールプレイを繰り返し行いました。
設備メーカーとの打合せが決まるたびに、私が設備メーカー役となり、本番と同じような流れで打合せを再現しました。

ロールプレイの目的は、「質問に正解を答えること」ではありません。
相手が設計できるだけの情報を整理して伝えられているかを確認することです。

設備の仕様や要求事項を説明します。

その内容をもとに私が質問を返していきます。
また、本番で質問されそうな内容も事前に整理し、受講者が落ち着いて対応できるよう練習を重ねました。

こうした繰り返しによって、「どんな質問が来るのか分からない」という不安は、「この内容なら聞かれるかもしれない」という予測へと変わり、打合せへの心理的な負担も少しずつ減っていきました。
PLCの見方も実務に合わせて学ぶ

PLCの学習も、「回路を一から作れるようになること」ではなく、実務で必要な知識に絞って進めました。
そのため、「IOマップが正しく作成できているか」「ベースソフトのどこを確認すれば判断できるのか」を重点的に学習しました。
ベースソフトは社内で新規作成されたものだったため、「すべての回路を理解しよう」とすると時間がかかり、何を確認すればよいのかも分からなくなってしまいます。
そこで、通信部分やIOの割り付けなど、業務に必要な箇所から確認する方法を身につけてもらいました。
このように、実務で必要な情報を優先して確認する考え方を取り入れたことで、PLCへの苦手意識も徐々に減っていきました。

知識を増やすことが目的ではなく、「今の仕事で使えるかどうか」を基準に学習を進めたことが、現場での実践につながったと感じています。
打合せへの不安が減り現場で成果を実感

役割を整理し、本番を想定したロールプレイを繰り返したことで、受講者は少しずつ打合せに対する考え方が変わっていきました。
以前は「質問されたら答えられないかもしれない」「説明不足でトラブルになったらどうしよう」という不安が先にありました。
しかし、事前に打合せの流れや想定される質問を整理して準備するようになってからは、落ち着いて相手と話せるようになったそうです。
こうした変化は、打合せだけではなく、その後の設備立ち上げにも良い影響を与えました。

ここでは、実際に現場で感じた変化について紹介します。
落ち着いて設備メーカーと打合せ

ロールプレイの効果を最も実感したのは、2回目の設備メーカーとの打合せでした。
受講者から最初に報告があったのは、「私の説明をすんなり理解してくれました」という言葉です。

以前は、自分の説明が相手に伝わっているのか分からず、不安を抱えながら話を進めていました。
しかし今回は、仕様や設備要求を整理して伝えられたことで、設備メーカーも内容を理解しやすかったそうです。
さらに印象的だったのは、その後の言葉でした。

相手からの質問事項も、練習のときに『質問が来るならここら辺ですね』と言われた部分だったので、安心して対応できました。
この一言からも分かるように、本番では想定外の質問に焦ることはありませんでした。
事前にロールプレイで準備していた内容が、そのまま現場で役立ったのです。
もちろん、すべてが完璧だったわけではありません。
しかし、「何を確認されるのか」をある程度予測できるようになったことで、打合せへの苦手意識は大きく減っていきました。
現場でも変化を実感

打合せが変わると、その後の仕事の進み方にも変化が現れました。
設備メーカーとの認識合わせがスムーズになったことで、仕様の食い違いによる手戻りが少なくなり、設備立ち上げも予定どおり進められるようになりました。
今回の案件でも、外注との連携がうまく取れたことで、設備は無事に立ち上がりました。
以前は、「自分の知識が足りないから打合せがうまくいかない」と考えていました。
この経験を通して、「PLCをもっと勉強しなければ」という焦りは、「まずは自分の役割を果たそう」という前向きな考え方へと変わっていきました。

役割を理解し、必要な情報を整理して伝えることで、設備メーカーとのコミュニケーションは大きく改善しました。
PLCの知識だけでは生産技術の打合せはNG

今回のコーチングを通して受講者が大きく変わったのは、PLCの知識が増えたことだけではありません。
「生産技術として何を求められているのか」という役割を理解できたことが、現場での行動や考え方を変えるきっかけになりました。
もちろん、PLCの知識は仕事を進めるうえで欠かせません。
しかし、知識だけを増やしても、設備メーカーとの打合せがうまくいくとは限りません。
現場では、それぞれの立場に応じた役割を理解し、必要な情報を整理して伝える力が求められます。

今回の事例は、その重要性を改めて実感できた6か月だったと感じています。
知識よりも役割を理解することが大切

生産技術の打合せで大切なのは、PLCの知識量を競うことではなく、自分の役割を理解して相手と情報を共有することです。
「回路を全部理解しよう」とするのではなく、「設備メーカーが設計するために必要な情報は何か」という視点で考えられるようになります。

知識を増やすことも大切ですが、それ以上に「自分が何をすべきか」を理解することが、仕事を前に進める第一歩だと感じています。

実際に受講者も、この考え方を身につけたことで、打合せへの不安が減り、現場でも落ち着いて対応できるようになりました。
実践経験が無駄のない打合せの第一歩

今回の変化は、ゴールではなく、これから成長していくためのスタートラインです。
6か月のコーチングを通して、受講者は打合せへの苦手意識を克服し、設備メーカーとの連携にも自信を持てるようになりました。
しかし、ライン全体を見ながら設備を考える力や、周囲をリードする力は、これからさらに経験を積み重ねることで身についていくものです。

将来的には後輩を指導できる立場を目標にしています。
そのためには、今回身につけた「役割を理解する考え方」を土台にしながら、さまざまな案件を経験していくことが重要です。

次回の卒業編では、6か月間のコーチングを終えたあと、どのような視点で仕事に向き合えるようになったのか、そしてライン全体を考えられるようになるまでの成長について詳しく紹介します。
まとめ:打合せへの不安

「PLCの知識が足りないから打合せがうまくいかない。」
しかし、実際に整理してみると、本当に必要だったのはPLCの知識を増やすことではなく、生産技術としての役割を理解することでした。
設備メーカーと同じように回路を設計することではありません。
設備で実現したいことを整理し、必要な情報を相手へ正しく伝えることです。
この考え方を身につけたことで、打合せへの不安が減り、設備メーカーとの連携もスムーズになりました。
もちろん、PLCの知識は現場で仕事を進めるために欠かせません。
しかし、知識だけを増やしても、「誰が何を担当するのか」という役割が曖昧なままでは、打合せで悩み続けてしまう可能性があります。
もしあなたも、
- 設備メーカーとの打合せに自信が持てない
- ベースソフトを見ても何を確認すればいいか分からない
- 「もっとPLCを勉強しなければ」と焦っている
このような悩みを抱えているのであれば、一度「自分の役割は何か」という視点で仕事を見直してみてください。
それだけでも、打合せへの向き合い方や日々の学習方法は大きく変わるはずです。


